近年は都心のマンション価格の高騰もあり、マンションを買い換える方も多いと思います。
また、マンションを購入する際に、価格が下がらなかったり、あるいは上がった場合も想定しながら購入を検討される方も多いのではないでしょうか?
そのようなときに、ふと考えがよぎるのが「購入価格と同等の金額で売却できたら、タダで住んでたことになるんじゃないの?」というものです。
もちろん売却時に手数料などがかかりますから、単純にそうはいかないのですが、その辺りを無視したとすると、確かに直感的には正しそうな気がしますね。
今回は、この仮説が正しいのかを実際にシミュレーションして確かめてみましょう。
設定条件
物件価格 | 5000万円 |
諸費用 | 250万円 |
頭金 | 0円 |
オーバーローン額 | 0円 |
ローン金利 | 0.45% |
ローン年数 | 35年 |
月額維持費 | 3万円 |
比較する年数 | 10年 |
10年後の推定価格 | 5000万円 |
今回の設定のポイントは、10 年後の売却価格を購入価格と同じ 5000 万円に設定しているところです。
それでは、シミュレーション結果を見てみましょう。
シミュレーション結果
シミュレーター上で結果を見る
結果は家賃換算で 6.7 万円/月となりました。
詳しくみてみましょう。
ローン借入金 5000 万円に金利 405 万円を足すと、ローン返済額は 5405 万円となります。
これを月額になおすと 12.9 万円/月となりました。
そして、ここに管理費などの月額維持費を足して、月々の支払い総額は 15.9 万円/月です。
次に、売却益をみてみます。
10 年後の残債が 3651 万円なので、売却価格 5000 万円から差し引くと、売却益は 1349 万円となります。
最後に家賃換算になおします。
基本的な考え方は、毎月の支払額に対して売却益と初期費用を足し引きします。
売却益 1349 万円を 10 年 x 12 ヶ月で割ると、約 11.2 万円/月。
同様に、初期費用 250 万円を 10 年 x 12 ヶ月で割ると、約 2.0 万円/月となります。
そして、月額支払いの 15.9 万円から 11.2 万円月を引き、2.0万円/月を加えると、6.7 万円/月となります。
では、初めの仮説に戻って考えてみます。
今回検証したかった仮説は、「購入価格と同等の金額で売却できたら、タダで住んでたことになるんじゃないの?」というものでした。
その結果、家賃換算 6.7 万円/月というのは、タダで住んでいるとはなかなか言えない金額ではないでしょうか。
直感的にはもう少しタダに近い金額になってもいいのでは?と感じるかもしれません。
この差はどこから来るのでしょうか?
それは、初期費用と金利、そして維持管理費による影響です。
これらが積み重なることで、月額換算で 6.7 万円/月となったのです。
このように、実際に計算してみることで、直感とは少し異なる結果になることもあります。
コスト感をただ想像するだけでなく、実際に計算した上で具体的な数値として捉えることが、正しい認識につながるのではないでしょうか。
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